徳島大学AWA広域総合診療専門研修プログラム
プログラムの概要・特徴
A. プログラムを展開する場や医療施設の地域背景や特長
徳島大学総合診療医学分野は、2007年に徳島県の寄付講座として地域医療学分野としてスタートしました。2010年には総合診療医学分野と改称し、徳島県の地域医療を担うとともに若い人材の育成に努めてきました。また2016年には大学病院に総合診療部が設置され、2017年6月より大学病院での総合診療外来を開始、2018年6月より入院診療を開始しており、ますますの広がりが期待されています。
残念ながら、新型コロナウィルス感染拡大のため、2020年から中止となっていますが、私たちは年2回の徳島地域医療教育研究会を主催して、地域医療教育に関心をもつ地域医療機関の医師・医療スタッフが集い、定期的な交流を行っています。そのような有志の地域医療機関で構成された研修関連施設は、徳島県立中央病院、徳島市民病院、徳島赤十字病院など県東部の大病院のほか、各地域の中核病院である徳島県鳴門病院、吉野川医療センター、阿南医療センター、徳島県立三好病院、また地域の拠り所となる徳島県立海部病院、三好市立三野病院、つるぎ町立半田病院、美波町立美波病院、ホウエツ病院、徳島健生病院、勝浦病院、救急と外科に強い田岡病院、鳴門山上病院、隣県の愛媛県ながら徳島県と県境を接し地域的にもつながり深いHITO病院および診療所群で構成されます。徳島大学病院総合診療部においては外来診療を中心に、総合診療専門医としての診療スタイルを身につけることと、エビデンスの収集・活用法や研究についても学んでいただきます。また、地域医療機関で効率的な研修を行いにくい診療科については徳島大学病院の臨床各科のサポート体制のもと、専攻医の皆さんの希望に応じたプログラムを組むことが可能です。これら医療機関のローテーションは、専攻医の皆さんの総合診療研修に有効であるのみならず、県の中核病院・地域の中核病院・地域の拠り所となる医療機関を指導医のもとでバランス良く研修することで、徳島県の地域医療の実情を把握することができ、地域を俯瞰する目が養われます。
毎週金曜日夕方に行う徳島大学総合診療医学分野の医局会では、各医療機関で研修する専攻医と各地で勤務するスタッフも集います。勉強会・症例カンファレンスに加えて仲間同士の交流に大いに役立っています。
卒前教育においては正課の講義や実習のほか、地域医療研究会という学生サークルを通じて彼らの勉強会や学びに任意に参加することで課外教育にも関わります。
B. プログラムの理念、全体的な研修目標
医療面接・身体診察・各種検査を駆使した患者情報収集能力に優れ、かつ高いエビデンス収集能力を持ち合わせた上で、患者さんの考え方や生活背景を勘案して診断・治療方針を決定するnarrative-based medicineを実践でき、患者さんからも医療スタッフからも信頼される豊かな人間性を有する医師。
すなわち、診療所であれ病院であれ、患者さんの困りごとをどんなものであってもひとまず受け入れられる医師。小児であれ、成人であれ、救急であれ、在宅であれ、胸であれ、膝であれ、皮膚であれ、どのような領域であってもいったん受け入れることのできる医師。医療面接と身体診察を駆使して緊急疾患と重大疾患を早期に鑑別し、年齢、性、地域性による有病率を考慮して、もっとも可能性のある疾患、次に考えられる疾患を想定し、マネージメントにあたる医師。治療はEBMに精通しながらも、それのみにとらわれることなく、患者さんとその周囲の環境、人生のステージに応じて、患者さんや必要に応じてご家族や他職種を交えて相談・カンファレンスのうえ、最良と考えられる方針を決定できる医師。緊急事態においては即行動することのできる医師。いうまでもなく同僚・他科医師・他職種と良好な関係を築ける医師。また未受診の地域住民の健康増進にも寄与できる医師。このような医師の育成を目指します。
C. 研修期間を通じて行われる勉強会・カンファレンス等の教育機会(例)定期的なTV会議システムによるカンファレンス・経験省察研修録(ポートフォリオ)勉強会や作成指導等
毎週金曜日、徳島大学総合診療医学分野医局会における症例カンファレンス、毎週火曜日、TV会議システムを用いた教育カンファレンス・セミナー、プライマリ・ケアセミナーへの参加と発表、研究指導を行う。また、ポートフォリオ指導は月に1回行います。
プログラム統括責任者氏名
山口 治隆指導担当医師数
42名研修施設
基幹施設
徳島大学病院 (内科、小児科、救急、総合診療、眼科、耳鼻科、皮膚科)
連携施設
徳島県立中央病院 (総診II、内科、小児科、救急、外科、整形外科、産婦人科)
徳島市民病院 (総診II、内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科)
徳島赤十字病院 (総診II、内科、小児科、救急)
吉野川医療センター (総診II、内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科)
阿南医療センター (総診II、内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科)
徳島県鳴門病院 (総診II、内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科)
つるぎ町立半田病院 (総診II、内科、小児科、外科、産婦人科)
徳島県立三好病院 (総診II、内科、救急、整形外科)
徳島県立海部病院 (総診I、総診II、内科、整形外科)
美波町国民健康保険美波病院 (総診I)
三好市国民健康保険市立三野病院 (総診I、総診II、外科、整形外科)
ホウエツ病院 (総診I、総診II)
田岡病院 (総診II、救急、外科、整形外科)
徳島健生病院 (総診I、総診II、外科、整形外科)
健生石井クリニック (総診I)
健生西部診療所 (総診I)
鳴門山上病院 (総診I)
上那賀病院 (総診I、総診II)
海南病院 (総診II)
HITO病院 (総診II、内科、救急)
石川クリニック (総診I)
勝浦病院 (総診II)
研修期間
3年プログラム内容
本研修プログラムでは徳島大学総合診療医学分野を基幹施設とし、地域の連携施設とともに施設群を構成しています。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。各専門研修は下記の構成となります。
【必須診療科研修】
① 総合診療専門研修Ⅰ:診療所または地域の中小病院での外来診療・在宅医療中心
② 総合診療専門研修Ⅱ:総合診療部門を有する病院での病棟診療、救急診療中心
総診Ⅰと総診Ⅱは原則として異なる施設で行い、研修期間はそれぞれ6か月以上、合計18か月以上
③ 内科 :内科専門研修認定施設での研修。臓器別の専門内科でないことが望ましい。研修期間は12か月
④ 小児科 :小児の外来・救急・病棟で、日常的によく遭遇する疾患を中心とした研修。研修期間は3か月
⑤ 救急科 :救命救急センターあるいは救急科専門医指定施設。研修期間は3か月
【選択診療科研修】
外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻科、皮膚科、総合診療部などの科での研修を、研修選択可能です(要相談)。

ローテーション例(図)
取得可能な専門医
総合診療専門医募集定員
5名選考方法
履歴書による書類選考および面接を行います雇用条件
各診療科担当者にお問合せください。連絡先
徳島大学病院総合診療部
電話番号:088-633-9656
E-mail :ookura.yoshi@tokushima-u.ac.jp