第1回クリニカルクラークシップ指導者養成講習会を開催しました

平成22年度第1回クリニカルクラークシップ指導者養成講習会

卒前臨床実習から後期専門研修に至る一貫した臨床教育・研修指導のあり方を習得することを目的として、指導者養成講習会を開催しました。

日 時:平成22年7月7日(水)17:30 ~ 21:30
場 所:医学部第3・第4会議室(臨床研究棟1階)
参加者:臨床実習指導を行う臨床系教室の教員・医員計16名
タスクフォース:赤池雅史・三笠洋明(医学部教育支援センター) 、岩田 貴(医療教育開発センター)、
          加賀谷 豊(東北大学卒後研修センター)、門馬靖武(東北大学卒後研修センター)
主 催:医学部教育支援センター、医学部FD委員会
     大学病院連携型高度医療人養成推進事業「四国本州メディカルブリッジ高度医療人養成」 
協 力:HBS研究部医療教育開発センター

■WS1「今,クリクラで問題と思うこと」
臨床実習のホットな問題点について診療現場からの意見を議論しました。 学生側の問題点としては「事前の自己学習の不足」、指導医側の問題としては「多忙な診療により指導する時間、指導医の数の不足」、教育環境の問題としては「電子カルテ端末の不足」等が挙げられました。また、「教育業務担当への評価が不明確である」ことも問題点として指摘されました。これらは初期および後期専門研修にも共通する問題点と考えられます。

■ミニレクチャー「診療参加型臨床実習とは」 
医学部教育支援センター・赤池雅史
診療参加型臨床実習とは成人学習理論に基づいたon-the-job-trainingであり、準備教育、学習者に持ち場・役割を与える、フィードバック、評価、フォローアップが重要であること等のレクチャーをうけました。また、診療チームの一員として診療に参加できること、指導医が臨床医として模範的であること等が、学習者の臨床実習満足度を規定していることが報告されました。これらの原則は初期ならびに後期専門研修にも共通するものと考えられます。

■WS2.「効果的指導法・5マイクロスキル実践」
“環境づくり→学生による症例提示に基づいた患者の診断→5マイクロスキルを用いた学生の診断・評価(①考えを述べさせる,②根拠を述べさせる)と学生への介入(③一般論のミニ講義,④できたことをほめる,⑤間違いを正す)”から構成される効果的な指導方法(5マイクロスキル)について,ロールプレイを行いました。この指導方法は、学生のみならず、初期および後期専門研修医に対しても効果的と考えられます。

■ミニレクチャー「クリニカルクラークシップから卒後臨床研修へ~東北大学の試み~」
東北大学卒後研修センター・加賀谷豊教授
東北大学病院で行われている臨床実習の教育目標、時間配分、評価項目について紹介がありました。次に東北大学病院卒後臨床研修プログラムの説明があり、外来を利用したhalf-day back研修が総合診療能力の育成に効果的で、研修医の満足度も高いことが報告されました。また、卒後研修センターもしくは診療科から研修医の希望にあわせて「ホスト診療科」を設定し、研修医のケアと研修の一貫性に取り組んでいることが紹介されました。さらに卒後3年目以降の東北大学への帰学率が比較的高いことが示され、東北大学高度医療人キャリアパス支援システム等、後期専門研修~生涯研修につながる医学教育の取り組みについて紹介がありました。

■WS3.「効果的な実習プログラムを作成しよう」
忙しい診療の中で学生を診療チームに参加させ、かつ、効果的な指導およびフィードバックを行うことのできる実習スケジュール作成を試みました。さらに、360度評価,形成評価・総括評価,プログラム評価を具体的にどのように実習の中に盛り込んでいくかについても検討しました。このような週間予定作成のノウハウは初期研修医や後期専門研修医の週間予定を作成する上においても参考となると考えられます。

年度別活動報告: 2010年度