地域医療を担う医師育成支援事業『顎変形症と顎関節』を開催しました。
日 時 : 2017年11月8日(水) 16:30〜18:30
場 所 : 歯学部4階 示説室
演 者 : 近藤 壽郎先生
日本大学松戸歯学部
顎顔面外科学講座 教授
主催:徳島大学病院 形成外科、徳島大学病院 矯正歯科
共催:徳島大学病院 徳島県地域医療支援センター
徳島大学病院 キャリア形成支援センター
【実施概要】
顎変形症は「顎の形態の異常」だが、はっきりとした「顎の機能の異常」を伴っていないのが特徴といえる。演者の主な専門は、「顎関節の外科」であり、顎変形症に対する顎矯正手術は、顎機能と顎関節の変化に大きな影響を与える。今回の講演では、「顎変形症患者にはどの程度の顎機能異常が潜在するのか」、「顎機能異常をもつ顎変形症の治療をどうするのか」、「顎変形症治療すなわち顎矯正手術は顎機能障害のリスクとなりうるのか」、といったことに焦点をあて、講演していただいた。また、演者の顎関節外科手術の一部も紹介いただき、臨床現場で直接反映できるような手技のレクチャーもしていただいた。
【成果】
本講演では、顎変形症患者と健常者間における顎関節症症状の発症リスクに差はほとんどないこと、顎矯正手術が顎機能障害のリスクとなりうるわけではないことを示すとともに、顎関節に生じた腫瘍に対するアプローチ法を演者の経験および多数の文献よりご教示いただいた。顎変形症の原因には外傷や腫瘍、先天性疾患による骨格性の不調和が挙げられ、当院に外科的矯正治療を希望し受診される患者様は少なくない。外科的矯正治療時のリスクの一つである顎関節症との関係を、医科・歯科のスタッフおよびコメディカルの全体で知識を深めることにより、より良い連携が取れ、患者様に対する治療の向上に繋がると確信している。