神戸大学感染症内科体験記【Part.2】(2010.4.1-6.30)

神戸大学感染症内科体験記
高知大学医学部附属病院内科(血液・呼吸器) 医員(レジデント) 荒川悠

【感染症内科で学んだこと】
感染症内科で研修していて最も勉強になったのは、本には載っていない、感染症診療の行間とでも言うべき、現場での対応や判断です。熱が出ていたらすぐに抗生剤、ではなく、かといってすぐに血培、でもなくまずは患者さんのところに行って、病歴をとって診察して、熱源は何かを考える。感染症か非感染症かを常に考え、それぞれ鑑別をあげる。ここまでで最短30分で行うことを目標に動いているので、常に頭をフル回転させながら、患者さんに今何が起こっているのかを考える。その上で、必要な対応を考える。この繰り返しが感染症を考える上でとても大事なことなのだということが生の現場を通して勉強できました。そして自分が考えたアセスメントが正しいかどうかをアテンディングの先生が評価する。“アセスメントのアセスメント“がきちんとなされていることで、自信を持って感染症診療に当たることができているのも、質の高い感染症診療を行う上で必要だと思いました。
感染症内科での症例も非常に多岐にわたっており、神戸大学はICUのベッド数も多く、感染性動脈瘤や敗血症性ショックといった非常にシビアなものから、ルート感染や、誤嚥性肺炎など今後の日常診療でもよく見るであろう症例、さらにはHIVや腸チフスなど、特殊(HIVを特殊というと怒られそうですが)な症例まで非常に多くの症例について、1例1例をきちんと勉強できたことは、今後の診療に大いに役立つと確信しています。
最後に、岩田教授をはじめ、未熟な私をチームの一員として暖かく迎え入れていただいた、香川先生、松尾先生、大場先生、その他スタッフの先生方には本当にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。