神戸大学医学部耳鼻咽喉科での研修を終えて(研修期間2011.12.12-16)

高知大学医学部 耳鼻咽喉科 青井二郎

私は、平成23年12月12〜16日の5日間、神戸大学医学部耳鼻咽喉科で研修をさせていただきました。神戸大学は耳鼻咽喉科領域の中でも、特に頭頸部腫瘍分野では日本をリードする大学の一つです。わが高知大学も、8〜9割を頭頸部癌患者が占めており、現在の診療に有意義な研修をおこなうことができました。

今回は数多くの手術を見学することができました。主に上顎癌に対する上顎全摘術と頸部リンパ節郭清術を学ぶことができました。頭頸部腫瘍の手術は、頸部の大切な神経や血管その他臓器を温存するため、時には非常に細かい操作が必要です。例を挙げますと、頸部の主要な血管から出血したときの止血も、操作を雑におこなえば、止血ができたとしても、血管の狭窄、鬱血などをきたすこともあります。どのような操作が合理的で術後の障害がないのか、どのように手術をすすめれば、確実に摘出できるのかなど、細かいことまで指導いただきました。また、手術で使用する機材道具についても学ぶことができ、今後、当科での手術にも大いに参考にすることができそうです。
その他、外来見学でも、治療方針の決定など、頭頸部腫瘍に関して、臨床にすぐに役立つ知識を学ぶことができました。

高知大学は神戸大学と同じく、圧倒的に頭頸部癌患者の占める割合が多く、その分野をなくして高知大学耳鼻咽喉科はありえない状況です。今後、高知県の頭頸部癌患者だけでなく四国、(さらには日本を!?)リードできる、そんな大学になれるよう、今回の経験を生かしていきたいと思います。